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骨はどのような構造をしているのか?

骨は骨膜に包まれています(関節面は除く)。
骨膜がなにでできているかというと、線維性の密性結合組織です。
骨膜と骨をくっつけているのはシャービーの線維です。
骨膜には神経や血管が豊かに分布してます。
神経があるので、当然痛みを感じやすい場所です。

骨膜の下にあるのが骨質です。

骨質には血管が多数通っています。

その血管を中心に同心円状に層板が並んでいます。
同心円上とは、中心が同じで半径がそれぞれ違う円のことです。
バームクーヘンを思い浮かべるとわかりやすいかと思います。
血管が通る腔をハバース管、層板をハバース層板といいます。

骨質の表層はハバース管の影響を受けずに、あたかも骨の中心の同心円状に層があるかのような層板になっています。
これを基礎層板といいます。
基礎層板を貫く血管腔をフォルクスマン管といいます。
そしてフォルクスマン管の骨表面の孔を栄養孔といいます。
骨層板に沿う形で骨小腔が並んでいます。
骨小腔の中には骨細胞が入っています。
骨細胞は数多くの細長い突起を伸ばしてお互いに交通しています。

骨質を形成する骨表板は有機質の膠原繊維が柱のような感じになっています。
有機質とは、元々は生物の力を借りて作りだされるものという意味で、科学的にいうと炭素化合物(一酸化炭素・二酸化炭素を除く)のことです。
膠原繊維とはコラーゲンのことです。
膠原繊維は引っ張る力に対して強い、という特徴があります。

膠原繊維の間は無機質の燐酸カルシウムで埋められています。
燐酸カルシウムは圧力に強い特徴があります。

膠原繊維と燐酸カルシウムのコンビにより、骨というのは人体のなかでも丈夫な構造になっているわけです。

骨の中心部は骨髄といいます。
骨というものは、全部が全部硬いわけではなく、中心部は空洞になっています。
この空洞は髄腔といいます。
髄腔には血管網がたくさんあるため、血液に富んでいます。

骨髄には赤色骨髄と黄色骨髄があります。

赤色骨髄では赤血球・顆粒白血球・血小板が作られています。
赤く見えるのは血液のせいです。

黄色骨髄は脂肪のせいで黄色く見えます。

年を取るとともに赤色骨髄は脂肪細胞に置き換えられて黄色骨髄に変わっていきます。

骨の構造

骨はどのようにして発生するのでしょうか?

胎児は細胞分裂の過程において骨を発生させるわけですが、その様式は2種類あります。

軟骨内骨化と膜内骨化です。

軟骨内骨化こそ代表的な骨の発生の様式です。

最初は軟骨により骨の原型というのが作られます。

次にその軟骨の表面の細胞が骨芽細胞に変わります。

そしてそこに血管が侵入し、次第に骨芽細胞と破骨細胞の作用により骨髄腔が形成されていき、石灰化(カルシウムが沈着すること)、骨組織の形成が起こります。

この現象は骨幹部といって骨(長骨・例をあげれば大腿骨)の両端(これらを骨端といいます)を除く部分で起こり、これを一次骨化点といいます。

その後、骨端にも同じようなことが起こり、それを二次骨化点といいます。

もうひとつの骨の発生様式を膜内骨化といいます。

これは骨膜の内面に直接骨が作られる形で、頭蓋骨のような扁平骨にのみです。

そして一次骨化点と二次骨化点にはさまれた軟骨層を骨端軟骨といいます。

この骨端軟骨が分裂増殖することで背は伸びるわけです。

長骨の末端部分の亀裂を骨端線といいます。
その周辺の軟骨組織を骨端軟骨といいます。

ある一定の年齢になるまで骨端線は伸びますので、成長期に背が伸びるとはこういうことなのです。

骨端線の伸びには成長ホルモンの分泌が欠かせません。